屋根塗装と外壁塗装の同時施工|費用メリットと注意点
屋根塗装と外壁塗装を同時に行うと足場代15〜25万円を1回で済ませられ、トータルコストを10〜20%削減可能。同時施工のメリット・デメリット・費用内訳・業者選びの注意点を解説します。
外壁塗装と屋根塗装を別々のタイミングで施工すると、足場を2回組む必要が生じ、足場代だけで15〜25万円の余分なコストがかかります。同時施工であれば足場は1回で済むため、トータル費用を10〜20%抑えられるのが最大のメリットです。
本記事では、屋根と外壁の同時施工にかかる費用の内訳、別々に行った場合との比較、塗料の組み合わせ、注意点を整理します。
同時施工と別施工の費用比較
30坪(延べ床面積約100m²)の戸建住宅を想定した費用比較です。
費用比較表(30坪戸建の場合)
| 項目 | 別々に施工 | 同時施工 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 外壁塗装(シリコン) | 60〜90万円 | 60〜90万円 | ±0 |
| 屋根塗装(シリコン) | 25〜40万円 | 25〜40万円 | ±0 |
| 足場代(外壁時) | 15〜25万円 | 15〜25万円(1回) | — |
| 足場代(屋根時) | 15〜25万円 | 0円(同一足場) | ▲15〜25万円 |
| 合計 | 115〜180万円 | 100〜155万円 | ▲15〜25万円 |
足場代は建物の周囲の長さと高さで算出され、30坪2階建てで15〜25万円が相場です(日本建築塗装職人の会のデータより)。この足場代を1回分カットできるのが同時施工の最大のコストメリットです。
坪数別の同時施工費用目安
| 坪数 | 外壁+屋根(同時施工) | 足場代の節約額 |
|---|---|---|
| 25坪 | 80〜130万円 | 12〜20万円 |
| 30坪 | 100〜155万円 | 15〜25万円 |
| 40坪 | 130〜200万円 | 18〜28万円 |
| 50坪 | 160〜250万円 | 20〜35万円 |
坪数が大きいほど足場面積が増えるため、節約効果も大きくなります。40坪以上の住宅では同時施工による節約額が20万円を超えるケースが多いです。詳しい坪数別の費用は30坪の外壁塗装費用相場や40坪の費用相場をご覧ください。
同時施工のメリット
メリット1: 足場代を1回で済ませられる
前述のとおり、足場を組む費用が1回分で済むため15〜25万円のコスト削減になります。足場の組立・解体にはそれぞれ1日ずつかかるため、工事日数も2日短縮できます。
メリット2: 工期を短縮できる
外壁と屋根を別々に施工すると、それぞれの工事で足場の組立・解体・養生作業が発生し、合計工期は約4〜5週間になります。同時施工なら約2〜3週間で完了します。
| 工程 | 別々に施工 | 同時施工 |
|---|---|---|
| 足場組立 | 2回(計2日) | 1回(1日) |
| 高圧洗浄 | 2回 | 1回(外壁+屋根) |
| 養生 | 2回 | 1回 |
| 塗装工事 | 外壁10日+屋根5日 | 合計12〜14日 |
| 足場解体 | 2回(計2日) | 1回(1日) |
| 合計工期 | 約4〜5週間 | 約2〜3週間 |
メリット3: 業者との窓口が一元化できる
別々の時期に工事を依頼すると、業者との連絡・スケジュール調整・近隣への挨拶が2回必要です。同時施工では1回で済むため、施主の手間も軽減されます。
メリット4: 住宅全体の劣化状況を一度に把握できる
足場を組んだ状態で屋根と外壁の両方を職人が確認するため、普段見えない箇所の劣化(屋根の棟板金の浮き・外壁のシーリング劣化等)をまとめて発見できます。
同時施工のデメリットと注意点
デメリット1: 一度の出費が大きい
30坪の同時施工で100〜155万円のまとまった費用が必要です。分割払いに対応する業者やリフォームローンの利用を検討してください。
デメリット2: 工事期間中の生活への影響が長い
2〜3週間にわたり足場とメッシュシートで建物が覆われるため、窓の開閉制限・洗濯物の外干し制限・車の移動が必要になる期間が続きます。
デメリット3: 屋根と外壁で最適な塗料が異なる場合がある
屋根は外壁よりも紫外線や雨に直接さらされるため、外壁と同じグレードの塗料では耐久性が不足するケースがあります。
屋根と外壁の塗料組み合わせ
推奨の塗料組み合わせ
| 予算帯 | 外壁塗料 | 屋根塗料 | 合計の耐用年数目安 |
|---|---|---|---|
| 標準 | シリコン(10〜15年) | シリコン(8〜12年) | 10年前後 |
| コスパ重視 | ラジカル制御(12〜16年) | シリコン(8〜12年) | 10〜12年 |
| 長持ち重視 | フッ素(15〜20年) | フッ素(12〜17年) | 15年前後 |
| 最長耐久 | 無機(18〜25年) | フッ素(12〜17年) | 15〜18年 |
屋根用塗料は外壁用と比べて紫外線の影響を強く受けるため、同じグレードでも屋根塗料のほうが耐用年数が短くなります。外壁にシリコンを使うなら屋根もシリコン以上、外壁にフッ素なら屋根もフッ素以上を選ぶのがバランスの良い組み合わせです。
屋根材別の注意点
| 屋根材 | 塗装の可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| スレート(コロニアル) | 塗装可能 | タスペーサーによる縁切り必須 |
| セメント瓦 | 塗装可能 | 下地処理が重要 |
| 金属屋根(トタン・ガルバリウム) | 塗装可能 | サビ止め下塗りが必要 |
| 日本瓦(粘土瓦) | 塗装不要 | 原則として塗装しない |
| アスファルトシングル | 塗装可能 | 専用塗料が必要 |
日本瓦は塗装が不要な屋根材です。日本瓦の住宅では、外壁塗装のみの施工で足場を組み、ついでに棟部分のメンテナンスを依頼する形が合理的です。
同時施工を検討すべきタイミング
判断基準
以下のいずれかに該当する場合、同時施工を検討する価値があります。
- 外壁にチョーキング現象(手で触ると白い粉がつく)が出ている
- 屋根にコケ・色あせ・塗膜の剥がれが見られる
- 前回の外壁塗装・屋根塗装から10年以上経過している
- 雨漏りの兆候(天井のシミ・壁のカビ)がある
国土交通省の「長期修繕計画ガイドライン」では、外壁塗装は12〜15年周期、屋根塗装は10〜15年周期でのメンテナンスが推奨されています。両方の時期が近い場合は同時施工が合理的です。
業者選びのポイント
同時施工を依頼する際は、以下の点を確認してください。
- 外壁塗装と屋根塗装の両方の施工実績がある業者か
- 見積書に外壁と屋根の費用が項目別に記載されているか(一式表記は不可)
- 足場代が1回分のみ計上されているか(2回分請求されていないか確認)
- 屋根材に適した塗料と下地処理が提案されているか
見積もりの読み方は見積書の見方・チェックポイントで詳しく解説しています。
まとめ
屋根塗装と外壁塗装の同時施工は、足場代15〜25万円の節約・工期短縮・窓口の一元化という3つのメリットがあります。一度の出費は大きくなりますが、10〜15年周期の大規模メンテナンスとして計画的に実施すれば、長期的なコスト効率は別施工より優れます。
見積もりを取る際は、外壁と屋根の費用内訳が明確に分かれていること、足場代が1回分であることを確認してください。費用を抑える他の方法は外壁塗装を安く抑える方法10選もあわせてご覧ください。